■第1章■ ドネーションシップ・プロジェクトとは?
世界の人口65億人。そのなかで日本に暮らす私たちがあたりまえのように過ごしている日常は、実は恵まれたことだと思えます。同じ地球上に生まれたのに、貧困、飢餓、紛争、環境破壊、災害、病、障害、差別、偏見、不公正などなど、様々な理由で、生きることさえ困難な状況におかれている人たちがたくさんおられます。
そうしたより困っている人たちに、分かちあいと支えあいの心を「寄付」として届けるのが「ドネーションシップ・プロジェクト」です。国境を越えた庶民どうしの分かちあいと支えあいのプロジェクトです。
■ 世界の人口65億人、その圧倒的多数の人々にとっての日常とは・・・
☆世界中で 8億2400万人以上が飢餓状態にある。
☆3秒に1人、貧困を原因とする病気や飢えで子どもが死んでいる。
☆学校教育を全く受けることができない子ども1億人以上。
☆12億人の人たちが、1日1ドル(約120円)以下で暮らしている。
☆売春、奴隷労働、危険で有害な労働をさせられている子ども1億7千万人以上。
☆環境汚染が毎年、全世界の約250万人の命を奪っている。
☆世界中の富の約9割を20%の人が握っている。
☆世界中で 全てのエネルギーの8割を20%の人が使い、残りの2割を80%の人たちが分けあっている。
(※国連開発計画、ユニセフ、ILOの資料などより)
■ 世界全体を見れば、日本の庶民はお金持ちです。
世界全体を見れば、その日の食べ物を得ることができる、安心して家の中で寝ることができるというのは恵まれたことです。例えば、熱帯地方で蚊が媒介して発症するマラリアという病気があります。重症化すると死に至り、WHO(世界保健機構)の報告では、世界中で年間およそ3〜5億人がマラリアに感染、推定死亡者数は年間200万人です。早期治療・投薬が重症化を防ぎます。例えばフィリピンでは、日本円で1000円あれば5人分のマラリア治療薬が手に入ります。けれども世界では、その治療・投薬を受けることができないために犠牲になる人たち(その多くは子どもたち)が多いのです。
日本の中を見ても、同じ人間なのに、その人が悪いわけではないのに、苦しい思い・辛い思いをしている人たちはたくさんおられます。お年寄りが電車に乗ってこられたら席を譲る、目の前で転んだ人がいたら手を貸す。それと同じように、もし自分に何かできることがあるなら、少しでも困っている人の役に立ちたいと思いませんか。<ドネーションシップ・プロジェクト>は、そんな庶民の気持を集めて、地球規模の大きな格差と偏りを視野におきながら、より大変な人、より苦しい思いをしている人たちのために、「わかちあい」(寄付)をしていこうという活動です。
■ 庶民どうしの分かちあいと支えあいとしての寄付を実行します。
NPO法人の運営、ウェブサイトの運営・管理等の実務があるため、<ドネーションシップ わかちあい>への参加は年会費制とします。ただし、運営に必要な経費以外は全て、この<ドネーションシップ・プロジェクト>のために使います。
実際には災害、戦争、貧困、飢餓、病、差別、偏見、犯罪、暴力、不公正等により、困難な状況にある人々。またそうした人々の支援や自立をサポートするグループ・活動等が寄付の対象になります。国や大きな組織・団体を通じてではなく、できるだけ庶民どうしの分かちあいと支えあいとして、直接援助を必要としている人たちに、あるいは小さくても直接当事者とつながって当事者の立場にたったサポートをしているグループやその活動に寄付をしたいと考えています。どこにどれだけの寄付をしたのかは全てネット上で公開します。(資料のガイドラインも参照下さい。)
■ 本当に大変な時には、人は支えあうしかありません。
同じ人間なのに大変な目にあっている人がいれば、少しでも力になりたい、役立ちたい。それは人間がそのうちに秘めている本性かもしれません。戦争や世界的な貧困や格差の問題は大きすぎて、一介の庶民に何ができるのかと、考えてしまう方もおられるでしょう。けれども同じ地球上に生まれた人間どうしです。その姿を知ればやはりなんとかしたいと思う、それが庶民なのだと思います。
例えば大きな自然災害などがあった時に、多くの人たちからたくさんの義援金が寄せられるのはまさにその証ではないでしょうか。庶民はお金も物も自分に集めることばかりを考えているわけではありません。それよりも普通に幸せになりたい、みんなと仲良くしたい、みんなが幸せであって欲しい。一人ひとりの根っこには、そんな正直で素朴な気持ちがあるのだと思います。だから助けあうことができるのです。分かちあうことができるのです。
本当に大変な時には、人は支えあうしかありません。誰も頼れず他に助けてくれる人もいなければ、自分が動くしかありません。庶民は肌でそれを知っています。JR宝塚線の脱線事故の時、突然の事故を目撃していてもたってもいられずに必死に救助活動にあたった周辺住民の人たち。その姿は、安全を軽視し人間よりも利益を優先してきたJR西日本という会社のあり方とは対照的でした。また、6千人を越える犠牲者をだした阪神淡路大震災の時、いちばん被災者の力になり支えとなり希望となったのは、人間どうしの助けあいであり、そこに通いあう人の心だったのではなかったでしょうか。
■ 大きなもの、力のあるものに頼っていたら安心だった時代は終わりです。
大企業や巨大な組織や国の仕組みも、いつでもそこで生きる人の暮らしや幸せや未来を優先的に考えているわけではありません。往々にしてそこで生きる庶民のことより、自分たちだけの利権や組織の利益や都合が優先するのが現実です。「寄らば大樹の陰」という言葉があります。大きなもの、力のあるものに依存して頼っていたらわが身を守れたし、安心だった時代はもう終わりです。大きなものにしがみついて必死に頑張っていても「もはや不要」と容赦なく振りはらわれ、切り捨てられることもあります。安心して大樹に寄り添っていたつもりだったのに、その樹はいつのまにか内側から腐っていて、倒壊寸前なのかもしれません。
先の見えない今の世の中のなかで、先の見えない時代だからこそ、生きていくために本当に大切にするべきは何なのかを、私たちは今一度問い直したいと思うのです。私たち庶民は、この地に足をつけて、汗して働き、一生懸命に日々の暮らしを営んでいます。みんな多かれ少なかれ、そうやって生きています。この地で生きることの現実を身に染みて知っています。だからわかるのです。本当は何が大切なのか。何を大切にしたいのか。私たちはそこに立ち、そこに足をつけて、皆で助けあって共に生きていきたいのです。
■ 人間にとって本当に大切なのはお金じゃない。
<ドネーションシップ わかちあい>は、運営にあたって「必要経費以外は全て寄付する」という原則を掲げ、実行します。事業や活動のために必要な経費はありますが、それ以上にお金や物を自分たちに留めることはしません。それは困っている他の誰かのために、社会のために、役立てればいいのです。それは利潤追求のみが良しとされる世の風潮に対し、「人間にとって本当に大切なのはお金じゃないよ」という、あたりまえのことを実際の形にしてアピールしていくことでもあります。
最初は活動の立ち上げ経費もありますし、<ドネーションシップ わかちあい>への参加者も少ないでしょうから、それほどたくさんの寄付はできないかもしれません。けれども活動が軌道に乗り、賛同下さる方が増えれば増えるほど、庶民の分かちあいと支えあいの心をより多くの寄付として形にすることが出来ます。会員数が増え、名もない庶民が集って毎年数百万・数千万・数億円単位の寄付ができれば素晴らしいことです。それは参加する者の誇りとなります。それを実際に困っている人たち、苦しい状況におかれている方々のために役立てていくことが出来るのです。
■<庶民どうしの分かちあいと支えあい>を世の中のあたりまえにしたい。
そのことによって<庶民どうしの分かちあいと支えあい>を世の中のあたりまえのことにしていきたいと思うのです。名もない庶民たちの心を集めて「庶民はこんな風にお金を使うんだよ」ということを実際に示していきたいと思います。そして、お金の流れやお金の使い方の基準を、そんな風に変えていけたらと思うのです。<ドネーションシップ わかちあい>の会費には、そんな志をこめた<庶民どうしの分かちあいと支えあい>の意味もあるのだということをご理解頂きたいと思います。
実際に<ドネーションシップ わかちあい>としてどこにどれだけの寄付をしたのかの情報は全て公開していきます。その実績を積み重ねていくことで、<ドネーションシップ・プロジェクト>をより実体と信頼性を持った確かな活動に育てていきたいと考えています。
■資料■
<ドネーションシップ・プロジェクト>寄付先選定のためのガイドライン
寄付先は、NPO法人「ドネーションシップ わかちあい」の理事会で構成する<選定委員会>が、以下のガイドラインに基いて選定します。
<対象>
災害、戦争、貧困、飢餓、病、差別、偏見、犯罪、暴力、不公正等により、困難な状況にある人々。またそうした人々の支援や自立をサポートするグループ・活動等。(国の内外を問わない。)
<選定・配分にあたって>
生命の尊重:生命と生存にかかわることを優先する。
普遍性:より多くの人々にとって必要とされる根本的なテーマや問題を優先する。
緊急性:災害援助等では緊急・機敏に対応する。
機動性:小規模でも直接当事者とコンタクトがあり機動的に対応できるグループ・団体を優先する。
信頼性:本来の目的により忠実に活動する信頼性の高いグループ・団体を優先する。
公平性:選定は人種・国籍・信条・宗教・性別等に影響されない。
<選定委員会>
<選定委員会>において、寄付先としてふさわしいところについて情報を集める。また<ドネーションシップ わかちあい>のウェブサイト上でも会員からの情報収集の受付けをおこなう。集めた寄付先候補から、選定委員会がふさわしいところを選定する。
<情報公開>
いつ、どこに、どれだけの寄付をしたか。ネット上に全て公開する。
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■第2章■ ドネーションシップ・ウェブサイトとは?
<ドネーションシップ・ウェブサイト>は、分かちあいと支えあいの心に共感頂いた方々が、インターネットを利用して直接相互に交流し、つながっていける場です。この場から分かちあいと支えあいの心をベースにした新しい人と人との出会い、新しい人と人との関係がうまれ、広がっていくことを願ってこのウェブサイトを運営します。
■<ドネーションシップ・ウェブサイト>の内容
メインページ:<ドネーションシップ わかちあい>のめざすものや活動の紹介。
入会申込みのメールフォームから、賛同して必要事項を記入し、会費を納めて頂ければ、どなたでも会員になれます。
個人会員リンク:会員(個人)のホームページなどを紹介するリンク集。自分のホームページやブログ、メッセージ、考えていることなどを、たくさんの人に知ってもらえます。
暮らしリンク:会員(事業者さんやお店)のサイトを紹介するリンク集。分かちあい支えあいの心を大切にしながらお仕事をされている方々を紹介します。<いい店、いい物、いいサービス>を紹介するリンク集です。
会員広場SNS:会員どうしの出会いと交流の場。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のシステムを使って実現します。会員だけが参加できる広場のなかで、プロフィールや日記を公開したり、相互に交流したりできます。
掲 示 板:交流や情報交換、情報発信の場。自己紹介、本や映画の紹介、新聞の投書欄のような意見発表の場、告知など、テーマ別に掲示板を設置します。
ハートフルレター:分かちあいの心がつなぐ人生のパートナー。分かちあいの心を大切にする者どうしが出会い、心通わせるなかで、人生のパートナーとめぐりあう機会をつくります。(会員の方が別途登録できるSNSです)
■ 誰もが自分の関わり方で自由に参加できる場です。
<ドネーションシップ わかちあい>のウェブサイトは、会員となって下さった方や一般のサイト利用者、それぞれの方がそれぞれの関心やニーズに合わせて、様々に利用できます。また多くの皆様方の参加で、このサイトの内容をより豊かに発展させていきたいと考えています。誰もが自分の関わり方で自由に参加できる場です。このサイトを活用して頂くことで、ネット上での出会いや交流にとどまらず、実際に会員どうしが出会うことも、物をやり取りしていくことも、情報やサービスを提供しあうことも可能になります。
■ 正直さや善意こそが宝物。
そもそもこのウェブサイトのアイディアは、ある真面目な自営業者さんとの出会いに端を発しています。その業者さんは、お客さんの立場に立ったいい仕事を良心的な価格でされています。けれども自分の仕事を宣伝したり売り込んだりすることは苦手です。ですからいくらいい仕事をしていても、その業者さんの経営は苦しいものです。一方で同じ業種であっても、明らかに顧客のことより儲け優先の業者さんもいます。儲ける為には自分たちを上手に宣伝することもおこたりません。
「規制緩和」「自由な競争」という今の潮流は、「弱肉強食」「儲かれば何をしてもいい」ということにもつながります。そのなかで、地味だけど正直で良心的な業者さんはそれ故にますます経営的に厳しくなっていくとしたら、それはその業者さんにとっても、顧客の立場からも、もったいない話です。今の世の中の流れの中では、正直さや善意やまごころを大切にして仕事をしている人は、埋もれていくばかりです。それはやはりもったいないことだと思うのです。
■ 安心して自分の心を開ける場、人と関われる場でもあります。
人間にはお金や経済性よりも、大事なことがあります。利益ばかりに目がいって表向きではいいことを言っても、実際には健康や環境、安全性や生命さえもないがしろにするような企業もあります。そういう企業や業者がもてはやされ、顧客や消費者の立場に立って正直さや善意やまごころで仕事をするという業者さんが埋もれていっていいのだろうか?やっていけなくなっていいのだろうか?いいわけないと思うのです。そういう業者さんが埋もれていかないような仕組みをつくりたいと思ったのです。
それは自営業者さんにとどまりません。サラリーマン、農家、商店主、学生、公務員、主婦(夫)、派遣労働者、パート、アルバイト、フリーター、引きこもり中のあなた、定年を迎えたあなた、シニア・シルバー世代の皆さんetc. 正直さや善意やまごころを大切に生きていきたいと思っている普通の人々が、普通にその心を表現していける。自信をもって、誇りをもって、自分を表現していける、そういう場が必要だと思うのです。それは安心して自分の心を開ける場、人と関われる場でもあります。
しんどい時にしんどいと言う、苦しい時に苦しいと言う。現実の人間関係のしがらみのなかで、なかなかそれができなくて、ひとりで抱えている人は多いと思います。誰かにそれを聞いてもらえたら、安心して話のできる人がいたら、それだけで心は軽くなるでしょう。「お金が全て」「強い者勝ち」が幅をきかす社会のなかで、それに馴染めずに「こんな風に思う自分がおかしいのだろうか?」と、そう思っている人はたくさんいます。誰かが「そうじゃないよ。私もそう思うよ。」と言ってくれたなら、その人の心はどれほど救われるでしょう。逆に、誰かに自分の気持ちやおかれている状況を話すなかで、自分自身を客観的に振り返ることもできるでしょう。
■ あなたの経験が、人のために役立ちます。
また、誰にでも、その人ならではの経験や、知恵や、情報や、技術、知識、持ち味、培ってきたものがあります。家族の中で、仕事のなかで、暮らしのなかで、学んできた専門知識や経験、人間関係の機微、自ら体験したからこそわかる辛さや悩み…、があると思います。例え特別な技術や資格などなくても、生業、子育て、介護、病、大切な人との死別…、誰もがその人ならではの人生をくぐり抜けてきた人生の達人だと思うのです。