■豆乳評価
Soy Formula Evaluation
03/22/2006
会合の結果が発表された
MEETING SUMMARY
ゲニステインについての結論
精製ゲニステイン暴露のヒトデータは不十分ではあるが、専門家委員会は一般成人の生殖や発達への極僅かな懸念negligible concernを表明する。最も高濃度に暴露されている日本成人では約0.43 mg/kg bw/dayの総ゲニステイン摂取の報告があるが、齧歯類では35-44 mg/kg bw/day以下では有害影響は確認されていない。従って現在の状況では成人が発生や生殖に影響があるほどのゲニステインを摂取する可能性は低い。
豆乳ミルクに含まれるゲニステインアグリコンを0.01 0.08 mg/kg bw/day摂取する新生児や乳児については極僅かな懸念negligible concernを表明する。委員会メンバーの1名はこの結論に同意せず、もっと高い懸念レベルを支持する。豆乳中総ゲニステインの約1%がアグリコン(糖が配位していない形)である。
豆乳についての結論
豆乳ミルクの生殖発達毒性について何らかの決定を下すにはデータが不十分である。
ゲニステインと豆乳についての最終報告書は2006年5月にCERHRのサイトにアップされる。
EurekAlert(
■米国アカデミーの助言:3月22日飲料水中フッ素について
National Academies Advisory: March 22 news conference on fluoride in drinking water
17-Mar-2006
米国科学アカデミーの研究評議会が新しい報告書「飲料水中のフッ素:EPA基準の科学的レビューFLUORIDE IN DRINKING WATER: A SCIENTIFIC REVIEW OF EPA'S STANDARDS」を発表する。
以下のサイトでウェブキャストが聞ける
■Annals of Internal Medicine2006年3月21日号のTIP
Annals of Internal Medicine tip sheet for March 21, 2006
20-Mar-2006
新しい大規模男女研究:喫煙は中年の死亡リスクを大きく上昇させる
New Large Study of Men and Women: Smoking Strongly Increases Risk for Death in Middle Age
5万人を25年間フォローした長期大規模喫煙研究。中年での死亡はヘビースモーカーの男性では41%、非喫煙者の男性は14%。ヘビースモーカーの女性では26%で非喫煙者の女性は9%。喫煙の開始が遅いほど死亡リスクは下がり禁煙は早いほど長生きに効果がある。
学会からのプレス
ビデオニュース
論文
■リスクのある食品の摂取が減っている
Consumption of risky foods declines
21-Mar-2006
米国人はより安全な食品を食べるようになっている。
International Conference on Emerging Infectious Diseasesで発表された。
1998年と2002年に行われた電話調査で、前の週に食べた食品の中に7つのリスクの高い食品が入っている割合は、1998年は31%だったが2002年は21%であった。
7つのリスキーな食品は(全て食中毒原因としてのリスク)
・ピンクのハンバーグ(加熱が充分でないということ)
・ピンクの挽肉
・生の魚
・生牡蠣
・生/未殺菌牛乳
・柔らかい卵(加熱が充分でないということ)
・ アルファルファスプラウト
■子宮環境変化がガンの発生を変える ビタミンEの増加は子宮内死亡を削減するがガンの発生を促進する
Changes to in utero environment may alter onset of cancer, U of T Study Increase in Vitamin E tied to reduction in utero deaths, but faster rates of cancer onset
21-Mar-2006
Carcinogenesisに発表された論文。
集中する方法について
ガン発症率の高いP53欠損マウスの妊娠前及び妊娠中にビタミンE高用量添加餌を与えると子宮内での死亡率が40%から5%に減少したが生まれてきた子どものガン発症を早くした。
■環境汚染は社会の公平性議論の重要な要素である、と研究者は語る
Researchers say environmental pollution is important piece of social justice debate
22-Mar-2006
Child Developmentの3/4月号に発表された文章。
環境汚染物質は人生のあらゆる局面で子どもたちに一定量忍び寄るものであはるが、 これまでの研究では特にマイノリティーや貧困層の子どもたちに不均衡に鉛や農薬などの暴露量が多い。
政府はこうした有害物質の規制に努力してきた。しかし目的は善であってもそうした規制措置は強制力はばらばらで財政支援も少なく、最も必要とされるところを標的にしていない。例えば鉛汚染が多い家に住んでいるのは低収入のアフリカ系アメリカ人の子どもたちで、鉛暴露削減のための政府の助言は効果が少ない。農薬についても同様で、農薬暴露が問題となる季節労働者の移民の子どもたちには現行の一般向け教育プログラムは届かない。
Natureニュース
■悲劇的な臨床試験が強力な分子にスポットライトを当てる
Tragic drug trial spotlights potent molecule
17 March 2006
研究は免疫系に干渉するリスクを明らかにした
英国で行われた抗CD28抗体の臨床試験で、対象となった6人の患者全員が急速に重症の病気になったことでニュースになった。このような劇的な反応は非常に希である。原因は不明であるがCD28は免疫系の中枢となる分子で、この分子の抑制による影響が絶大だったのかもしれない。
MHRAのプレスリリース
Suspension of Clinical Trial Authorisation
14 Mar 2006
8人の男性を対象にした第一相臨床試験(健康なヒト対象)で、プラセボ2人、投与群6人だった。
投与された6人とも集中治療室に入院した。
(健康食品は効かないので害もないのだろう。本当に効くものは恐ろしい)
KFDA 韓国
■より安全なアルミニウム調理器具使用のために
(2006.03.20)
アルミニウムは食品中に天然に存在し、また食品加工工程で添加されることもあり、さらに調理器具や包装容器から食品に移行することもある。
・何故食品中にアルミニウムが検出されるのか?
植物は土壌からアルミニウムを吸収する。一部の野菜やハーブ類には天然にアルミニウム含量が高い。アルミニウムを含む食品添加物は乾燥粉末食品・飲料・加工チーズなどに使用されている。またアルミ製調理器具やアルミ層のある包装材などから食品に移行することもある。
・ 食品と保存
トマト・ルバーブ・キャベツ・果物などの酸を多く含む食品の調理や保存にアルミニウム製品を使うのはあまり良くない。特に長期間アルミニウム容器に保存すると、食味に影響する。アルミニウム摂取量の約20%がアルミニウム調理器具とホイル使用に起因するという研究報告がある一方、アルミの調理器具使用による摂取量はほとんど無視できるという研究結果もある。
・ アルミはアルツハイマー病を誘発するか?
過去40年間に多数の研究が行われ、1997年にWHOは労働によるアルミニウム暴露のない健康なヒトにおいてアルミニウムが有害だという根拠やアルミニウムがアルツハイマー病の原因だという根拠はないと発表している。
・食品中のアルミニウム含量には規制はあるか?
スパは何ですか
食品と接触する物質に関する規定では、食品と接触する物質は食品を有害にしてはならないとなっている。アルミニウムのような金属は食品の性質・成分・品質を変化させてはいけないことになっている。
英国食品基準庁では英国の食事のアルミニウム平均含量を定期的に調査し、2000年の結果ではアルミニウムの食事からの摂取量はWHOの設定した安全基準(体重 60 kgの成人一日最大許容摂取量 : 60mg)以内であった。
出典
英国食品基準庁ホームページ
(www.eatwell.gov.uk/healthissues/factsbehindissues/aluminium/)
■食品医薬品安全庁危害物質中心の事前予測的安全管理システム構築
(2006.03.21)
食品医薬品安全庁は有害物質団新設(1月24日)を契機に、既存の摘発・取り締まり主体の安全管理体系で得られた危害情報をもとに、事前予防的・科学的食品安全管理を遂行するシステムを構築・運営することを発表した。
この一環として食薬庁は上半期にトウガラシ・ピーナッツのカビ毒(アフラトキシンB1)汚染の有無など国内外で問題となったことがある有害物質に対する先行調査を実施している。
今度の調査は6地方庁と合同でまず23種の食品に対して抗生物質・残留農薬など有害物質の汚染があるかどうかを検査することになる。
この結果は終了次第発表する予定であり、検査の結果によっては追加の調査を行うことや規格・基準のないものについては必要に応じて規格・基準を設定し、汚染が検出された食品については評価を行ってから回収・廃棄などの措置を執る計画である。食薬庁は昨年も今回のような先行調査を行い、ウナギのマラカイトグリーン検査強化、ビールのホルムアルデヒド暫定基準設定などを行っている。
■ムラサキイガイ (紫貽貝Mytilus edulis)麻痺性貝毒基準値超過検出による注意
(2006.03.20)
食薬庁は慶南馬山市沿岸で許容基準80 microg/100gを超過した麻痺性貝毒が検出されたため同海域の貝類の採取を全面禁止すると発表した。
また市中に流通している貝類の安全性確保のため3月末からソウル・仁川・釜山の大型魚市場でイガイやカキの麻痺性貝毒調査を実施する。
各市・各道及び地方食薬庁は市中に流通中の貝類について、貝毒発生海域で採取したものではないことを証明する「貝類原産地確認証」を徹底的に確認すること。
同時に釣りや行楽で貝類を採取しないよう広報する予定である。
■黄砂備え!食品こんなふうに管理してください
(2006.03.14)
食品医薬品安全庁は春の黄砂現象による食品汚染及び国民の健康被害が予想されることから「黄砂備え食品安全管理要領」を準備し、各地方庁・市・道などを通じて食品関連業者及び一般家庭に積極的に広報を行い、黄砂注意報や警報発令の際に黄砂による被害が出ないよう対策した。
黄砂に曝された野菜や果物などは充分に洗浄して、調理の際の手洗いなどの衛生管理を徹底し、黄砂による二次被害が発生しないよう注意をお願いする。
BfR ドイツ
2月22日紹介の英文版
■ベンゼンが食品中の安息香酸からできるか?
Is benzene formed from benzoic acid in foods?
強い女性に体重を失った女性はスリム滞在
ベンゼンは食品中にも存在する環境汚染物質である。ベンゼンは発がん性があり生殖細胞にも悪影響がある。入手できるデータからは安全域は設定できない。そのためベンゼンの摂取量は消費者保護のためできる限り低くすべきである。ソフトドリンクに安息香酸とアスコルビン酸が同時に加えられている場合ベンゼンが生じる可能性があるとの情報があり、BfRは調査を行った。安息香酸もアスコルビン酸も認可された添加物で表示されている。天然にも存在する。化学分析データからはBfRはソフトドリンク中で実際にベンゼンができているのかどうか、これがヒトのベンゼン総摂取量に寄与するのかを評価できない。もしさらなるデータが疑惑を確認する形で提供されればBfRは安息香酸とアスコルビン酸の同時使用に関する規制改定� ��必要性について評価するであろう。
1993年のGardnerとLawrenceの報告では6.25 mmol/l 安息香酸ナトリウムと8 mmol/lアスコルビン酸で15分25℃の反応で1 ppb未満のベンゼンができた。6.25 mmol/l 安息香酸ナトリウムを含む反応液ではアスコルビン酸の添加量が多くなるほど(最大8mmol/l)ベンゼンの生成量は増加した。さらに高濃度になると逆に減少した。飲料のpHは2でベンゼン生成が最大で、高くなると減少した。また硫酸銅や硫酸鉄の影響もあった。
またMcNealらの報告では2.8 mmol/l安息香酸ナトリウムと1.4 mmol/lアスコルビン酸で紫外線に20時間当てるか45℃に加熱した場合約300 μg /kgのベンゼンができた。暗所で室温の場合には4μg /kgであったが8日後には266μg /kgに増加している。天然に安息香酸とアスコルビン酸を含む各種食品中には1 μg/kg未満検出されている。また添加された安息香酸とアスコルビン酸を含む各種食品のベンゼン含量は 1未満から38 μg/kgで、ソフトドリンクは2 μg/kg以下であった
Fleming-Jones とSmithの2003年の報告ではコーラ飲料中のベンゼンは1 − 138 μg/kgの範囲であった。
一方大気中から吸入するベンゼンの量は、多様であるが、1人1日あたり数百μgである。
ヒトのベンゼン暴露量の96-99%以上が吸入により、飲料水や食品の寄与率は低い。飲料水基準は1 μg/lである。
BfRはリスク評価にはさらなるデータが必要であるとしてデータ提出を要請するよう食品・農業・消費者保護省BMELVに助言を行っている。
Committee on Carcinogenicity 英国
■RECPについてのCOT/COC合同宣言第一時案ワーキングペーパー
WP 1st Draft joint COT/COC Statement on RCEP http://www.advisorybodies.doh.gov.uk/coc/whats_new.htm
最終バージョンができればワーキングペーパーは置き換えられる
環境汚染物質に関する王立委員会RCEP:作物への農薬散布と近傍住人の健康 報告書について
COTとCOCの意見は、さらに健康に関する適切な研究が必要であることには合意する。
この問題が緊急性があるとは考えず、農薬のリスクアセスメントにさらなる予防措置は必要ない。慢性疲労症候群と他種類化学物質過敏症についてはレビューが必要である。
(特に他種類化学物質過敏症MCSについては、RCEPが農薬によりおこった可能性を示唆していることについて反論している。MCSは心理学的psychological状態であるとのスタンス)
FSA 英国
■マラチオンの農薬リスクアセスメントピアレビューに関する結論
Conclusion regarding the peer review of the pesticide risk assessment of the active substance malathion
20 March 2006
ADIとAOELは0.03 mg/kg bw/day(安全係数1000)
最初のARfDは動物実験結果に安全係数100を用いて0.3 mg/kg bw/day、二番目のARfDはヒト実験に安全係数10で1.5 mg/kg bw/day
■食品と接触する物質に使用されるエポキシド化大豆油に関するAFCパネルの意見
Opinion of the Scientific Panel AFC related to epoxidised soybean oil used in food contact materials
17 March 2006
AFCパネルは、エポキシド化大豆油(ESBO)を含むポリ塩化ビニル(PVC)パッキンのある金属蓋つきガラスビンに入ったソースや香辛料や油へのESBO溶出調査結果を評価するよう依頼された。
ESBOはPVCなどの可塑剤や安定剤として使用されている。特にガラスビン用金属蓋のパッキンに、最大で重量の40%含まれる。従って加工や貯蔵中に食品へ移行する可能性がある。
成人のESBO暴露量推定にはいくつかの保守的推定を行ってTDIと比較した。
成人の高暴露量推定ではいずれもESBO のTDI 1 mg/kg bw以下である。従ってこれ以上詳細な暴露量推定は必要ない。
FSAI アイルランド
■食品の機能性表示は疾患に言及したり消費者を誤解させるものであってはならない
Functional Food Claims Must Not Refer to Diseases or Mislead Consumers
20 March 2006
FSAIは本日アイルランドとEUにおける比較的新しい食品部門−機能性食品−についての情報を収載したパンフレットを発行した。近年、例えばコレステロールを下げるとかプロバイオティクスを謳った機能性食品が増加している。機能性食品functional foodsは、広義には基本的な栄養以外に健康に良い又は健康維持に役立つとされる食品である。このパンフレットは主に食品産業向けに規制の状況などの情報を提供する。
機能性食品市場は日本と米国で巨大であり、アイルランドでは現在研究開発が盛んである。機能性食品市場は年に20%拡大しており増加が続くであろうと予想されている。
FSAIは一般の人にとってはバランスの取れた多様な食生活が充分な栄養を供給できると考えているが、機能性食品は多数の疾患のリスクを減らすと宣伝されているため、多くの人々が健康維持のために購入している。FSAIの役割は表示が正確であること、 消費者を誤解させないことを確保することである。
多くの食品企業は機能性食品の開発に投資しているが、ほとんどが新しい食品を販売するために超えなければならない規制のハードルに気がついていない。健康や栄養の強調表示をする食品には適切な科学的/臨床的根拠が必要である。
パンフレット
Functional Food
栄養と健康強調表示、EUにおける食品へのビタミンやミネラルなどの添加はポジティブリスト制により規制される予定であること、アイルランドにおける食品と医薬品の違いなどを短くまとめてある。
EU
■食品基準官報告知
NOTIFICATION CIRCULAR [2-06]
22 March 2006
初期評価:グリフォサート耐性GMアルファルファ由来食品の認可申請
評価案:GM高リジントウモロコシLY038由来食品(飼料)、乳児用ミルクへの中鎖トリグリセリドの使用、加工助剤基準の評価、乳製品一次生産加工基準の作成
最終評価:加工助剤としてのMucor javanicus 由来リパーゼ、MRL、葉酸と神経管欠損ヘルスクレームについて
など
上記についてパブリックコメントを募集している。
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